こんにちは! ゲーマー投資家ゆーすけ(@gaminvestlog)です。
キオクシアホールディングス(285A)の株価が、2026年6月22日の上場来高値11万2,700円から、7月17日には5万2,110円まで下落しました。約1カ月で半値以下です。
直近決算では大幅な増収増益だったキオクシアが、なぜここまで売られたのでしょうか。この記事では、株価急落の背景を3つに分けて整理します。
📉 キオクシア株は約1カ月で半値になった
キオクシア株は、2026年6月22日に上場来高値の11万2,700円を付けました。しかし、その後は下落が続き、7月17日には前日比1万円安となる5万2,110円で取引を終えています。

| 確認項目 | 株価 |
|---|---|
| 2026年6月22日の上場来高値 | 11万2,700円 |
| 2026年7月17日の終値 | 5万2,110円 |
| 高値からの下落率 | 約53.8% |
| 7月17日の前日比 | 1万円安(16.10%安) |
今回の急落は、キオクシアの業績が突然悪化した結果ではありません。背景として指摘されているのは、主に次の3点です。
- SK hynixの設備投資によるNAND供給増加への警戒
- 急騰後の利益確定売りと信用買いの解消
- 米国特許訴訟における陪審評決
順番に確認していきます。
🏭 SK hynixの投資でNANDの供給増加が警戒された
今回の下落を理解するには、韓国のSK hynix(SKハイニックス)という企業を知る必要があります。
SK hynixはキオクシアの競合企業
SK hynixは、韓国の大手メモリー半導体メーカーです。DRAM、HBM、NAND、SSDなどを製造しており、NAND市場ではキオクシアの競合にあたります。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 会社名 | SK hynix |
| 読み方 | SKハイニックス |
| 本拠地 | 韓国 |
| 主な製品 | DRAM、HBM、NAND、SSD |
| キオクシアとの関係 | NAND市場で競合する大手メーカー |
NANDは、スマートフォンやパソコン、データセンター向けSSDなどに使われる記憶用半導体です。電源を切ってもデータが残るため、写真や動画、アプリなどの保存に使われています。
約80兆ウォンの投資計画が警戒された
SK hynixは、韓国の清州に新しいNAND製造施設「M17」を建設すると発表しました。M17への投資額は約80兆ウォンで、2027年に着工し、2029年上期の稼働を予定しています。
SK hynixは、AIサービスの普及によってNAND需要が増加し、供給不足が続いていることを投資の理由に挙げています。需要が増えているなら、NANDを主力事業とするキオクシアにも追い風のように見えます。
しかし、市場が警戒したのは、現在の需要ではなく将来の供給増加です。
NANDは需要を上回るペースで供給量が増えると、販売価格が下がる可能性があります。NAND価格の下落は、キオクシアの将来の売上高や利益を圧迫する要因になるため、SK hynixの大型投資が警戒されたと考えられます。
ただし、M17はまだ建設前であり、現時点でNANDが供給過剰になったわけではありません。将来の生産能力増加によってNAND市況が変わる可能性を、市場が先回りして意識したと考えられます。
🔄 利益確定と信用買いの解消が下落を広げた
キオクシア株は、今回の急落前まで大きく上昇していました。短期間で株価が上昇した銘柄は、投資環境を変える材料が出ると、含み益を確定するための売りが集中しやすくなります。
楽天証券の投資情報メディア「トウシル」では、年初から株価が大きく上昇していた反動に加え、信用取引も下落に影響したとの見方が示されています。
信用取引は、証券会社から資金を借りて株を購入する取引です。株価が大きく下落すると、追証を避けるための売却や損失拡大を防ぐための売却が増え、それが新たな下落につながる場合があります。
SK hynixの投資計画を受けてNAND需給への懸念が広がり、そこへ急騰後の利益確定や信用買いの解消が重なったことで、下落幅が広がったとみられます。
🏛️ 米国特許訴訟も不確実性を加えた
キオクシアは2026年7月17日、米国のViasatから提起された特許侵害訴訟について適時開示を出しました。米国の連邦地裁陪審では、損害賠償額を約2億2,900万ドルとする評決が出ています。
| 確認項目 | 内容 |
|---|---|
| 原告 | 米国のViasat |
| 対象 | キオクシアの一部製品に関する特許侵害訴訟 |
| 陪審評決で示された金額 | 約2億2,900万ドル |
| 会社開示の円換算 | 約371億円 |
| 連結業績への影響 | 精査中 |
現時点では陪審評決の段階であり、約371億円の支払いが確定したわけではありません。キオクシアはViasatの主張と陪審の判断を容認できないとし、評決後の申し立てや控訴などの法的手続きを進める方針です。
2026年7月17日の開示時点では、連結業績への影響を精査中としています。
キオクシア株は訴訟の開示前から下落していたため、特許訴訟だけが半値下落の原因ではありません。NANDの将来に対する警戒が強まる中で、陪審評決も不確実性を加える材料になったと考えられます。
📊 好業績でも株価は将来への懸念で下がる
キオクシアの2026年1〜3月期の3カ月決算では、前年同期比で売上高が約2.9倍、営業利益が約16倍となっていました。
それでも株価が下落したのは、株式市場が現在の業績だけを評価しているわけではないからです。株価には、将来どれだけ利益を出せるかという投資家の期待も反映されます。
今回のキオクシアでは、次のような変化がありました。
| これまでの期待 | 急落時に意識された懸念 |
|---|---|
| AI需要によるNAND販売の拡大 | 競合企業による将来の供給増加 |
| NAND価格の上昇や高止まり | 供給増加による価格下落 |
| 大幅な増収増益の継続 | 将来の利益成長が鈍化する可能性 |
| 半導体株への資金流入 | 急騰後の利益確定や信用買いの解消 |
直近決算の数値が悪化したわけではありません。一方で、株価は将来の業績に対する期待にも左右されます。
今回のキオクシアでは、将来も同じ成長が続くという期待に不確実性が生じました。そこへ利益確定や信用買いの解消も重なったことで、株価の下落が大きくなったと考えられます。
キオクシアは僕の新高値ブレイク投資の基準では対象外としていたため、今回の急落を受けた売買はしていません。ほかの保有株や現金比率も変更していませんが、半導体関連株への売りが広がらないかは確認したいと考えています。
✅ まとめ
キオクシア株が約1カ月で半値まで下落した背景は、次の3点です。
- SK hynixの設備投資を受け、将来のNAND供給増加が警戒された
- 急騰後の利益確定や信用買いの解消が、下落を広げたとの見方がある
- 米国特許訴訟の陪審評決が、不確実性を加える材料になった
キオクシアの直近業績が好調でも、将来のNAND需給に対する見方が変われば、株価は先に動きます。
今回の急落は、現在の決算だけでなく、今後の事業環境まで確認する必要性を示した事例として見ておきたいと思います。
📌 次におすすめの記事
キオクシアの成長性や、値動きの大きい成長株との向き合い方については、以下の記事でも解説しています。



📚 参考元
- SK hynix「Fact Sheet」
「Products & Services」で、SK hynixがDRAM、NAND、SSDなどを手がけるメモリー半導体メーカーであることを確認できます。 - SK hynix「SK hynix Announces Investment Plan for the Chungcheong Region」
「KRW 100 Trillion Investment to Build M17 and P&T7」で、M17への約80兆ウォンの投資計画と2029年上期の稼働予定を確認できます。 - キオクシアホールディングス「当社子会社に対する訴訟の陪審評決に関するお知らせ」
約2億2,900万ドルの損害賠償額を示した陪審評決、会社の対応方針、連結業績への影響を精査中であることを確認できます。 - 楽天証券トウシル「なぜキオクシアは半値になったのか?暴落の背景と復活シナリオ」
「1カ月で半値以下になったワケ」で、NAND需給への懸念、急騰後の利益確定、信用取引による売りに関するアナリストの見解を確認できます。
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