こんにちは! ゲーマー投資家ゆーすけ(@gaminvestlog)です。
2025年も残りわずか。年末年始の休暇中に、今年のトレードを振り返ろうと考えている方も多いのではないでしょうか。
Googleスプレッドシート(またはExcel)で投資記録をつけている方、そのデータをちゃんと活用できていますか?「合計損益は見ているけれど、なぜ勝てたのか、なぜ負けたのかまでは分析できていない」という方も多いのではないでしょうか。何百行もあるデータを自分で読み解くのは、正直しんどい作業ですよね……。
そこで今回は、スプレッドシートのデータをAIに投げて、2025年の投資行動を客観的に分析してもらう方法を紹介します。CSVをエクスポートしてアップロードするだけ。面倒なデータ加工は不要です。
🎯 重要なのは損益額ではなく「行動の傾向」
スプレッドシートの関数を使えば、「勝率」や「合計損益」はすぐに出せます。しかし、本当に知りたいのはそういった表面的な数字ではなく、その裏にある「自分の行動の癖」ではないでしょうか。
なぜ、あの時損切りできなかったのか? 利益が出ている銘柄ばかり早売りしていないか? 特定のセクターに偏ってリスクを取っていないか?
こういった定性的な分析こそ、生成AIが得意とする領域です。AIを「専属のデータアナリスト」として使えば、自分では気づきにくい行動の偏りやバイアスを可視化できます。
🛠️ 手順:CSVをエクスポートしてアップロードするだけ
用意するもの
- Googleスプレッドシート、またはExcelの投資記録
- Gemini(無料版でOK)
AIはGeminiを使いました。今回の検証では、CSVファイルの構造を正しく認識し、無料版でも十分な分析結果が得られました。
CSVのエクスポート方法
Googleスプレッドシートの場合
- スプレッドシートを開く
- 「ファイル」→「ダウンロード」→「カンマ区切り形式(.csv)」を選択
- ダウンロードされたCSVファイルを保存
Excelの場合
- Excelファイルを開く
- 「ファイル」→「名前を付けて保存」→ファイル形式で「CSV(コンマ区切り)」を選択
- 保存
Geminiへのアップロード方法
- Geminiを開く
- チャット入力欄の添付アイコン(クリップマーク)からCSVファイルをアップロード
- 後述するプロンプトを入力して送信
※CSVの読み込みでエラーが出る場合は、スプレッドシートのデータ範囲(ヘッダー含む)を直接コピーして、Geminiのチャット欄に貼り付けてみてください。テキストデータとしても分析可能です。
注意点
口座番号や個人情報が含まれる列がある場合は、事前にスプレッドシートから削除しておいてください。分析に不要なだけでなく、AIに渡すデータとしても適切ではありません。
スプレッドシートのフォーマットは自由で構いません。 列名が「銘柄」でも「会社名」でも「銘柄コード」でも、AIが文脈から判断してくれます。

📜 分析用プロンプト(コピペ用)
以下のプロンプトをコピーして使ってください。2025年の取引にフォーカスしつつ、保有中の銘柄についてもリスク診断を行う構成になっています。
添付したCSVは、私の投資トレード記録です。
この中には、過去の取引、2025年の取引、現在保有中の銘柄が混在しています。
CSVの全行を読み取り、以下の分析を行ってください。
Pythonでの計算処理は不要です。人間がトレード日誌を精査するように、CSVの全行を直接読み取って分析してください。
## 【対象データの抽出】
- 「2025年内に決済された取引」を分析対象とする
- 「現在保有中」の銘柄(売却日が空欄)は、リスク診断の対象とする
- 2024年以前に決済済みの取引は、今回の分析対象外とする
## 【データの解釈ルール】
- 売却日・決済日が空欄の行 →「保有中」
- 損益額・損益率が入っている行 →「決済済み」
- コメント・理由・反省などの列があれば参考にする
## 【分析してほしいこと】
### ■ 1. 2025年決済済み取引の傾向
- 勝ちトレード・負けトレードそれぞれの特徴
- 損切りが遅れた取引があれば、銘柄名と状況を具体的に挙げる
- 利確が早すぎた可能性がある取引があれば、同様に挙げる
### ■ 2. 保有中銘柄のリスク診断
- 含み損のまま長期保有している銘柄
- セクターや銘柄の偏り
### ■ 3. 検出された認知バイアス
- 最低3つのバイアスを挙げる
- 各バイアスについて、該当する具体的な取引(銘柄名・日付・損益)を根拠として示す
- コメント欄の記載と実際の行動に矛盾があれば指摘する
## 【出力ルール】
- 「例えば」「仮定すると」「〜の場合」「〜と思われます」といった推測・曖昧表現は禁止
- 必ず実際のデータから読み取れる事実のみを書く
- 最後に「2026年に向けた改善アクション」を2つ提案する
- 各アクションには、どの取引傾向・バイアスに対応しているかを明記する
🤖 出力例:AIはこう分析してくる
実際に僕のトレード記録をGeminiに投げた結果、以下のような分析が返ってきました。認知バイアスに関する部分を抜粋して紹介します。
検出された認知バイアス
取引履歴とコメントから、以下の3つの認知バイアスが強く作用していると判断されます。
① ハーディング現象(バンドワゴン効果)
周囲の熱狂に流され、皆が買っている時に自分も買ってしまう心理です。
2025年9月19日〜29日の短期間に、ジャストプランニング、クラシコム、キッズスター、IACEトラベルと立て続けにエントリーしています。これは「日経平均最高値更新」のニュース等の外部要因に煽られ、高値圏で飛びつき買いをした典型的なパターンです。
② 処分効果(Disposition Effect)
利益が出ている銘柄はすぐに売り、損失が出ている銘柄は長く持ち続ける心理です。
アイモバイルは-3%程度ですぐに処分していますが、キッズスター(-17.54%、約2ヶ月保有)やジャストプランニング(-22%、約1.5ヶ月保有)は損失が大きく膨らむまで持ち続けています。「損を確定させたくない」という心理が損失の先送りにつながっています。
③ 正常性バイアス(Normalcy Bias)
都合の悪い情報を無視し、「自分は大丈夫」「すぐに戻るはずだ」と思い込む心理です。
ジャストプランニングの決済理由に「サポート割れ」とありますが、-22%まで放置したのは、「一時的な下げだろう」という希望的観測を持ち続けた結果と考えられます。
※上記は僕のデータを分析した結果です。あなたのデータでは異なる結果が出ます。
AIの指摘をどう解釈するか
「ハーディング現象」と指摘された9月下旬の連続エントリーですが、これは新高値ブレイク投資をやっている以上、ある程度は避けられない傾向だと思っています。相場が強い時期に新高値が多発するのは当然で、そこでエントリーが増えるのは手法の特性です。
ただ、AIの指摘を全否定するのではなく、「高値掴みのリスクが高まっている局面だった」という警告として受け止めるのが建設的かもしれません。僕の場合、9月下旬のエントリーは結果的にほぼ全敗しているので、「新高値が出すぎている時は慎重になる」というルールを検討する余地はありそうです。
AIは手法の文脈までは理解してくれません。また、コメント欄などの定性情報が少ないと、分析が浅くなる傾向があります。出力結果を鵜呑みにせず、自分の投資スタイルと照らし合わせて解釈することが大切です。
💪「耳の痛い指摘」こそが来年の武器になる
実際にやってみると、「損切りが遅い」「含み損を長期間放置している」「買値に固執している」といった指摘が淡々と出力されます。自分ではなかなか認めたくない部分を、AIは忖度なく提示してきます。
自分では「運が悪かった」「相場が悪かった」で済ませていた敗因が、実は構造的な行動の癖だったと気づける瞬間です。その気づきを2026年の売買ルールに反映すれば、同じ失敗を繰り返す確率を下げられるはずです。
✅ まとめ
GoogleスプレッドシートやExcelは、AIと組み合わせることで強力な分析ツールになります。
やることはシンプルです。CSVをエクスポートして、AIにアップロードして、プロンプトを送信する。これだけで、自分の投資行動の癖やバイアスを客観的に把握できます。
新しい銘柄を探すのも良いですが、まずは手元のデータを振り返ってみてはいかがでしょうか。来年のパフォーマンス改善につながるヒントが見つかるかもしれません。
ぜひ年末の空いた時間に試してみてください。
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