こんにちは! ゲーマー投資家ゆーすけ(@gaminvestlog)です。
前回の記事「AIに「2026年注目テーマとの関連度」を判定させるプロンプト」では、スクリーニングで見つけた銘柄がその年の注目テーマに乗っているかどうかを、AIに判定させる方法をご紹介しました。
今回、いつも使っている決算要約プロンプトに、この「テーマ判定」機能を組み込んでみました。ただし、このプロンプトはWeb検索が有効なモードで実行しないと、最新テーマの判定ができないという制約があります。
そこで疑問が浮かびました。無料で使えるAIのうち、Web検索モードで決算分析をさせたら、どれが最も投資家向きなのか? 今回は任天堂の決算資料を題材に、4つの無料AIで同じプロンプトを実行し、性能を比較検証してみました。
🎮 なぜ「任天堂」を題材にしたのか
今回の検証には、誰もが知っている任天堂を選びました。事業内容の説明が不要なので、AIの分析が的確かどうか、読んでいる皆さん自身で判断しやすいはずです。
また、2025年6月に「Nintendo Switch 2」が発売され、今まさに普及期の真っ只中。AIが販売動向や業績への影響を正しく拾えているかを確認するには、ちょうど良いタイミングでした。
あと、ゲーマー投資家を名乗っている以上、ゲーム銘柄で検証しないわけにはいきません。
🤖 検証に使った4つの無料AI
今回検証したのは、以下の4つのAIです。すべて無料プランで利用しました。
| AIモデル | 利用制限 | 処理時間 |
|---|---|---|
| ChatGPT(Deep Research) | 月5回まで | 10分以上 |
| Gemini(3.0 Pro) | 1日2回程度 | 数分 |
| Claude(Sonnet 4.5) | 5時間ごとにリセット | 数分 |
| Copilot(Deep Research) | 月5回まで | 数分 |
また、Geminiは回数制限の関係で「思考モード」「高速モード」も追加検証しました。有料のGenspark(Claude Opus 4.5経由)も参考として実施しています。
📜 検証に使ったプロンプト
いつも使っている決算要約プロンプトに、前回の「テーマ判定」機能を統合したものです。Web検索で最新ニュースを拾い、2026年注目テーマとの適合性を判定させる設計になっています。
# 個人投資家向け決算要約プロンプト
以下の指示文を使用し、決算短信や決算説明会資料から**個人投資家向けの決算要約レポート**を作成してください。
カウントや計算は必ず Python を使用してください。Pythonでの数値計算は内部処理で行い、レポート本文では計算済みの数値のみを提示してください。
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## 入力
- **対象資料**: {決算短信ファイルまたはURL}, {決算説明会資料ファイルまたはURL}
- **対象企業**: {企業名}
- **決算期**: {四半期・年度}
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## 出力仕様
- **対象読者**: 個人投資家(初心者〜中級者)
- **文体トーン**: 投資家向け。平易な日本語を中心に、専門用語は必ず短い補足を入れる。
- **構成**: 見出し・箇条書き・段落を混在させる。
- **文字数**: 約8,000字(誤差 ±5%)。最終的に内部処理で文字数をカウントし、末尾に「本文は◯◯字」と明記。
- **数値**: 売上成長率、営業利益率、進捗率などは内部計算のうえ本文に反映。
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## 出力内容(必須項目)
企業名(コード)決算期
① **事業内容(セグメント比の概観)**
- 各事業セグメントの売上比率・構成比
- 主要市場・顧客層
② **強み(定量・定性)**
- 定量例: シェア率、ROE、売上成長率
- 定性例: ブランド力、技術力、参入障壁
③ **営業利益率(現状とドライバー)**
- 現状の営業利益率(数値を明記)
- 利益率改善・悪化の要因(価格改定、原価率、為替など)
④ **業績進捗率(会社計画比)**
- 売上高・営業利益などの進捗率(%表示)
- 進捗状況の評価(順調・未達リスクなど)
⑤ **成長シナリオ(短期〜中期)**
- 短期: 次四半期〜1年の見通し
- 中期: 3〜5年スパンの成長要因(新規事業、M&A、海外展開など)
⑥ **リスク**
- 外部リスク(景気、規制、為替)
- 内部リスク(人材不足、研究開発停滞、依存度の高い取引先)
⑦ **2026年注目テーマとの適合性**
- 以下6テーマとの関連度をS/A/B/Cで評価
1. AI・データセンター
2. スポーツ・イベント
3. 半導体
4. 量子コンピュータ
5. 防衛・宇宙
6. サイバーセキュリティ
- **評価基準**
- S:売上・利益の30%以上を占める本命
- A:重要な関連事業、または大型材料が出た
- B:売上寄与10%未満、または連想・思惑レベル
- C:関連なし(テーマ外)
- **出力形式**
- 最も近いテーマ:{テーマ名}
- 関連度:{S/A/B/C}
- 判定理由:{事業内容・材料との関連を1〜2文で簡潔に}
- **補足**
- 該当テーマがない場合は「テーマ外(独自材料)」と判定し、株価上昇の主要因を簡潔に記述
- Web検索で直近のニュース・IR情報を確認し、判定の根拠とすること
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## 出力フォーマット例
- 大見出し(###)で各必須項目を整理
- 箇条書きと段落を組み合わせて投資家が理解しやすくする
- 計算式やコードは表示せず、最終値のみを自然な文章として組み込む
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## 制約条件
- 複数資料がある場合は情報を統合し、一貫性のあるストーリーを提示すること。
- 決算説明会資料の定性的コメントは、決算短信の定量データで裏付けを行うこと。
- 定性評価は必ず「投資家目線」での意義(株価・将来収益性にどう関わるか)に言及。
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## 出力検証
- 内部処理で総文字数をカウントし、本文末尾に「本文は◯◯字」と明記すること。
注意:Web検索が有効なモードでないと、最新のニュースや材料を反映できません。このプロンプトを使う際は、Web検索がオンになっているか確認してください。
⚔️ 対決①「2026年テーマ判定」の精度
今回の検証で最も注目したのは、「任天堂は6つの注目テーマのどれに該当するか?」という判定です。指定したテーマは、AI・データセンター、スポーツ・イベント、半導体、量子コンピュータ、防衛・宇宙、サイバーセキュリティの6つ。
各AIの判定結果
| AIモデル | 判定したテーマ | 備考 |
|---|---|---|
| Gemini Pro | テーマ外(独自材料) | 本質を射抜いた |
| Claude Sonnet 4.5 | テーマ外(独自材料) | Geminiと同じ結論 |
| ChatGPT Deep Research | 半導体(A) | リスク視点 |
| Copilot Deep Research | 円安メリット(S)※独自テーマ | 指定テーマを無視 |
各AIの出力結果を直接確認したい方はこちら:Gemini Pro / Claude / ChatGPT / Copilot
GeminiとClaudeが「正解」にたどり着いた理由
GeminiとClaudeは、任天堂を「テーマ外(独自材料)」と判定しました。つまり、「任天堂の株価を動かすのは、AIや半導体といった市場テーマではなく、Nintendo Switch 2というプロダクトサイクルだ」と見抜いたわけです。
特にGeminiは「半導体は購入者側だからコスト増要因であり、恩恵を受ける銘柄ではない」と明確に指摘しました。投資家が探しているのは「半導体で儲かる株」であり、この文脈を正しく理解した回答です。
ChatGPTは「間違い」ではなく「視点の違い」
ChatGPTは「半導体(A)」と判定しました。「半導体需給の影響を受ける」という指摘は、リスク管理の観点では正しい分析です。
ただし、今回のプロンプトの意図は「テーマ株選び」でした。「半導体で困る株」ではなく「半導体で儲かる株」を探している文脈では、Gemini/Claudeの回答がより適合しています。
Copilotの「暴走」が面白い
Copilotは指定した6テーマを完全に無視し、独自テーマ「円安メリット(S)」で回答してきました。
内容自体は正しいです。任天堂の海外売上比率は79.5%であり、円安局面では業績・株価ともに恩恵を受けます。しかし「指示通りに動くアシスタント」を求めるなら、この暴走は困りもの。逆に「別の視点を出してくれる存在」として使うなら、予想外の切り口を提供してくれるかもしれません。
📊 対決②「業績進捗」の読み解き精度
次に、各AIが決算資料からどこまで情報を拾えたかを比較しました。
Claudeが最も詳細だった
Claudeは『カービィのエアライダー』『メトロイドプライム4』『Pokémon LEGENDS Z-A』など、下期発売予定のタイトル名まで具体的に言及しました。「なぜ下期に利益が伸びるのか」を定性情報で補強しており、決算資料を隅々まで読み込んだことがわかります。
Gemini Proはマクロ視点に強い
Gemini Proは数値の抽出は正確でしたが、具体的タイトル名への言及は少なめでした。代わりに為替影響や上方修正率など、大局的な分析に強みを見せました。「結論を急ぐ投資家」には向いています。
Copilot Deep Researchも健闘
テーマ判定では暴走したCopilotですが、業績進捗の数値分析は正確でした。「デジタル売上高比率54.5%」など、他AIが拾わなかった指標にも言及しており、分析の切り口としては独自性があります。
⚠️ Geminiのモード比較で見えた「落とし穴」
Gemini Proは1日2回程度しか使えないため、回数制限が緩い「思考モード」「高速モード」も検証しました。
Pro・思考・高速の3モードで同じプロンプトを実行
Geminiには3つのモードがあり、性能ランクは「Pro > 思考モード > 高速モード」の順です。Proが最も高性能ですが回数制限が厳しく、高速モードは軽量だが制限が緩いという関係にあります。
結果は意外だった
| モード | 性能ランク | テーマ判定 | 進捗率(売上/営業利益) | 備考 |
|---|---|---|---|---|
| Pro | ★★★ | テーマ外(独自材料) | 48.9% / 39.2% | 正解 |
| 思考 | ★★☆ | 半導体(A) | 73.3% / 48.4% | 数値が間違っている |
| 高速 | ★☆☆ | 半導体(A) | 48.9% / 39.2% | 数値は正確 |
性能ランクが高いモードが正解とは限らない
最も高性能なProモードだけが「任天堂の本質はSwitch 2のサイクル」と見抜きました。思考モード・高速モードは「半導体需要に影響する」という表面的な判定に留まっています。
さらに驚いたのは、思考モードが売上進捗率を「73.3%」と誤計算していたこと。正しくは48.9%(実績1兆995億円 ÷ 通期予想2兆2,500億円)です。「じっくり考える」はずのモードが、基本的な計算でミスをしていました。
教訓
AIのモードを変えても、必ずしも精度が上がるわけではありません。特に数値計算は、どのモードでも最終確認が必要です。Geminiを使うなら「Pro」が最もバランスが良いですが、回数制限があるため「ここぞ」という時に使う切り札として温存するのが賢い使い方かもしれません。
🏆 総合評価:どのAIを使うべきか?
比較結果まとめ
| 順位 | AIモデル | テーマ判定 | 資料読み込み | 指示順守 | 計算精度 | 総合 | 役割イメージ |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 1位 | Gemini Pro | S | A | S | A | S | 戦略参謀 |
| 2位 | Claude Sonnet 4.5 | S | S | S | A | A+ | 敏腕リサーチャー |
| 3位 | Copilot Deep Research | A | A | D | A | B+ | 暴走する天才 |
| 4位 | ChatGPT Deep Research | B | A | A | A | B | 真面目な優等生 |
| 5位 | Gemini 高速モード | B | A | S | A | B | 時短向け |
| 6位 | Gemini 思考モード | B | A | S | D | C | 要注意 |
使い分けの提案
- 結論を急ぐならGemini Pro:指示を守りつつ本質を一言で射抜く。ただし1日2回の制限あり。
- 詳細を知りたいならClaude:決算資料の隅々まで拾う。具体的なタイトル名や定性情報が欲しい時に。
- 別視点が欲しいならCopilot Deep Research:指示は無視するが鋭い切り口を提供。意外な気づきをくれる存在として。
- リスク視点も欲しいならChatGPTを併用:別角度からの警告が得られる。
利用制限も考慮すると
日常的に使いやすいのはClaude(5時間ごとリセット)です。Gemini Proは1日2回の切り札として温存し、ChatGPTとCopilotのDeep Researchは月5回なので「ここぞ」という銘柄に使うのが良いでしょう。
💡 検証から見えた3つの気づき
1. AIの「性格」を理解して使い分ける
今回の検証では、各AIに明確な「性格」のようなものが見えました。
- Gemini Pro:大胆に結論を出す「戦略家タイプ」
- Claude:慎重にファクトを積み上げる「研究者タイプ」
- Copilot:指示を無視して独自路線を行く「異端児タイプ」
- ChatGPT:リスクを見逃さない「堅実タイプ」
他の銘柄でも同じ傾向が出るかは今後の検証課題ですが、少なくとも今回は、この「性格」を意識した使い分けが有効だと感じました。
2. モードを変えれば良くなるとは限らない
Geminiの検証で明らかになったのは、「深く考える」=「正確」ではないということ。思考モードは計算ミスをしていました。数値計算は必ず自分で検算するか、面倒なら複数のAIに同じ質問を投げて結果を比較するのが安全です。
3. 無料でもここまでできる
今回使った4つのAIはすべて無料プランです。回数制限はありますが、課金しなくても「投資の参謀」として十分活用できます。まずは無料で試してみて、自分に合うAIを見つけてください。
📢 補足:有料版(Genspark)との違い
参考として、有料のGenspark(Claude Opus 4.5経由)でも同じプロンプトを実行しました。結果は無料のClaude Sonnetと傾向が似ていますが、表形式の整形など出力の安定感がありました。
Gensparkの出力結果:こちら
無料でも十分に使えますが、複数のAIをまとめて使いたい方や、決算要約を回数制限なく何度もやりたい方には有料版も選択肢になります。実際、僕のメインAIはGensparkです。ChatGPT、Gemini、Claudeなど複数のモデルを切り替えながら使えるのが気に入っています。
✅ まとめ
今回紹介したプロンプトを使うなら、Web検索が有効なモードを選びましょう。同じAIでもモードによって検索機能がオフになっている場合があるので注意が必要です。結論重視ならGemini Pro、詳細重視ならClaude、別視点ならCopilotがおすすめです。
AIごとの「性格」を理解して使い分けることで、分析の精度が上がる可能性があります。ただし、モードを変えても精度が上がるとは限りません。数値計算は必ず自分で検算するか、面倒なら複数のAIに同じ質問を投げて結果を比較するのが安全です。
上記のプロンプトをコピーして、ぜひ自分の気になる銘柄で試してみてください。
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