こんにちは! ゲーマー投資家ゆーすけ(@gaminvestlog)です。
先日、クオンツ投資家(数学・統計・プログラミングを駆使して市場を分析する投資家)のUKIさん(@blog_uki)が公開した記事が、投資家界隈で大きな話題になりました。

内容を端的に言うと、「Claude Codeを使って投資AIエージェントを構築したら、投資アイディアの発見からデータ分析、バックテスト、自動発注まで自律的にやれるようになった。短期アルファは1年で消える可能性がある」という主張です。
正直に言うと、最初に読んだときは衝撃でした。ただ、それと同時に、「これ、僕みたいなプログラミング経験ゼロの兼業投資家にはどう関係するんだろう? 」という疑問が残りました。
UKIさんの記事はクオンツ×エンジニアの視点で書かれたものです。「すごい」で終わらせるのはもったいないので、新高値ブレイク×成長株の中長期投資をやっている僕の視点から、持ち帰れる示唆を3つに整理して考えてみました。
🤖 UKIさんの投資AIエージェント ── 要点整理
まず、UKIさんの記事の要点を簡潔にまとめておきます。元記事を読んでいない方向けの整理です。
エージェントが自律的に投資アイディアを発見し、検証する
UKIさんがClaude Codeで構築した投資AIエージェントは、以下の機能を備えています。
| 機能 | 内容 |
|---|---|
| アイディア抽出 | X、YouTube、論文から投資アイディアを自動取得 |
| データ収集 | 各APIから株価・決算データを取得、不足分は自律クローリング |
| 統計分析 | 抽出したアイディアを統計モデルで検証 |
| バックテスト | 有意な結果が出た戦略の収益性を検証 |
| 自動発注 | 証券会社APIへ毎日自動発注 |
人間が手作業でやると数日かかるような分析を、1日10〜15件のペースで処理しているとのことです。
「短期アルファは1年で消える」という主張
UKIさんの試算によると、ある短期戦略を自分以外に3人が同じように運用し始めるだけで、利益の大半がなくなるとされています。AIエージェントが統計的なアノマリー(市場の歪み)を高速で発見し、裁定(その歪みを利用して利益を取る行為)していく世界では、同じ戦略に複数の投資家が群がり、目に見える短期アルファは急速に縮小していく ── というのがUKIさんの見立てです。
この記事はクオンツ短期投資家に向けた話である
ここが重要な前提です。UKIさんが議論の対象にしているのは、統計的アノマリーを利用した短期売買の世界。デイトレード、寄り引け、ティックデータ(1回ごとの約定データ)を使った超短期の取引です。中長期のファンダメンタルズ投資を対象にした記事ではありません。この前提を押さえておかないと、読み手の受け取り方がずれてしまいます。
📈 視点① 短期アルファの消失は追い風になりうる
UKIさんの主張が正しいとすると、短期売買で利益を出しにくくなった投資家の資金や関心は、別の投資手法に向かう可能性があります。その受け皿の一つが、中長期のファンダメンタルズ投資ではないかと僕は考えています。
中長期投資の市場に参加者が増えれば、流動性が向上し、成長企業が正当に評価される機会が増える余地がある。一方で、参加者の増加によりエントリー時の競争が増す可能性もあるため、銘柄選定の精度はこれまで以上に問われるかもしれません。
興味深いのは、UKIさん自身が記事の末尾でこう書いていることです。
こんな短期で消耗するよりも、中長期で正しく企業をバリュエーションし、社会貢献や企業応援の意味も兼ねて割安で誠実な企業に投資していく。そのほうが良いかもしれません。
AIエージェントを極限まで使いこなした側の人が、最終的にたどり着いた感想がこれだという事実は、中長期投資家にとって一つの傍証になるのではないでしょうか。
🌱 視点② 企業の成長はAIでも予測しきれない
AIが決算データを瞬時に解析する時代が来たとしても、企業の売上や利益が実際に伸びるかどうかは、別の次元の問題です。
| 短期売買(UKIさんの領域) | 中長期投資(新高値ブレイク) | |
|---|---|---|
| 利益の源泉 | 統計的アノマリー(市場の歪み) | 企業の成長トレンド |
| AIとの相性 | ルール化しやすく、AIが代替しやすい | 不確実性が高く、AIでは予測しきれない |
| 時間軸 | 数秒〜数日 | 数ヶ月〜数年 |
| AIエージェントの影響 | アルファ消失の可能性がある | エントリー初動が速くなる程度の影響 |
企業の成長は、経営者の実行力、市場環境、競争優位性、規制や地政学リスクといった複合的な変数で決まります。新製品がヒットするかどうか。経営者が正しい判断を下し続けるかどうか。市場環境が急変しないかどうか。これらは「人間の営み×外部環境」の掛け合わせであり、過去データのパターン認識だけでは予測しきれない領域です。AIが高度化しても、この不確実性が消えるわけではありません。
新高値ブレイク投資は、こうした企業の成長という実体に乗るトレンドフォローの中長期投資です。仮にこの手法までAIに駆逐される世界を考えると、「決算発表の瞬間にすべてが株価に織り込まれ、その後のトレンドが一切存在しない」という状況を意味しますが、それは現実的ではないでしょう。人間の認知、機関投資家の意思決定プロセス、企業の成長スピード ── これらが存在する限り、株価のトレンドは発生し続けると考えています。
だからこそ、最終的な投資判断には投資家自身の見立てが必要になります。AIはその見立てを磨くための道具として使う ── というのが、現時点での僕の考えです。
ただし、初動が速くなる可能性はある
一つ注意しておきたいのは、AIが決算データを瞬時に評価するようになれば、好決算発表直後の初動が今より速くなる可能性がある点です。エントリーポイントの競争が激しくなるかもしれません。
ただし、これは「新高値ブレイクが使えなくなる」という話ではなく、「エントリーの精度をより意識する必要が出てくるかもしれない」という程度の話だと僕は捉えています。
💬 視点③ コードが書けなくてもAIは使える
UKIさんの記事を読むと、「コードが書けないと置いていかれるのではないか」という焦りが出てくるかもしれません。僕自身もそうでした。
ただ、UKIさんが使っているClaude Codeと、僕たちが日常的に使えるチャット型AIは別物です。
| Claude Code | チャット型AI(Genspark等) | |
|---|---|---|
| 操作方法 | ターミナル(黒い画面) | ブラウザのチャット画面 |
| プログラミング知識 | 必要 | 不要 |
| できること | 環境構築、コード実行、自動化 | 分析補助、要約、壁打ち |
| 向いている人 | エンジニア | 一般の個人投資家 |
| 月額コスト | 約15,000円〜(Max Plan or API従量) | 無料〜約3,000円程度 |
Claude Codeはターミナル上で動くエンジニア向けのツールで、プログラミングの素養がなければ使いこなすのは難しいのが現実です。一方で、GensparkやClaude、ChatGPT、Geminiといったチャット型AIを使えば、コードを一行も書けなくても投資分析の精度を上げることは十分に可能です。
実際に僕がやっていることを具体的に挙げると、以下の通りです。
- スクリーニング:株探からダウンロードしたCSVをAIに渡して、新高値ブレイク×成長株の条件に合う銘柄を抽出する(関連記事はこちら)
- 決算分析:決算短信をAIに読み込ませて要約レポートを作成し、さらにアナリスト評定をつけさせる(関連記事はこちら)
- 保有判断:保有銘柄の決算データを渡して、「好決算なのに売られるパターン」に該当するかを判定する(関連記事はこちら)

AIをコードの実行エンジンとして使うのではなく、「自分の分析を壁打ちする相手」として使う。この使い方であれば、プログラミングの知識がなくても今日から始められます。
✅ まとめ
UKIさんの記事は「短期投資家への警鐘」として話題になりましたが、中長期の成長株投資家の視点で読み直すと、自分たちの投資スタイルの位置づけを再確認できる記事として読むことができます。
僕が持ち帰った3つの視点を改めて整理します。
- 視点① 短期アルファの消失は追い風になりうる ── 短期から中長期への資金シフトは、流動性向上の追い風になる一方、銘柄選定の精度がより問われるようになる
- 視点② 企業の成長はAIでも予測しきれない ── 企業の成長は「人間の営み×外部環境」で決まり、AIが高度化しても不確実性は残る。だからこそ投資家自身の見立てが必要になる
- 視点③ コードが書けなくてもAIは使える ── チャット型AIを「分析の壁打ち相手」として活用することで、投資分析の精度は上げられる
AIは投資判断を代替するものではなく、見立ての精度を上げるための道具として使う ── というのが、現時点での僕の結論です。AIの時代でも、やることは変わりません。これからも地道に、成長企業を探し続けていきます。
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