こんにちは! ゲーマー投資家ゆーすけ(@gaminvestlog)です。
先日、資産250億円の著名個人投資家・片山晃(五月)さん(@hakureifarm)の貴重な対談動画が公開されました。
「PERが高い株は危険」という常識は、成長株投資においては必ずしも正しくない。PERは「割高・割安」の指標ではなく、市場の「期待値」を表す温度計であり、高PER株こそが大化けする可能性を秘めている。
僕のメインの投資手法である新高値ブレイク投資術ではそもそもPERを重視しないので、まさにその通りだと思っています。そして、動画の中で片山さんが触れていたPEGレシオという指標は、エントリーのタイミングを測る補助ツールとして使えます。成長率を加味することで、「今の株価位置が過去と比べてどうか」を客観的に把握できるからです。
今回は、先日新高値ブレイクで見つけたばかりの監視リスト銘柄であるイントラスト(7191)を例に、Geminiと株探のデータを使ったPEGレシオ分析の方法を解説します。この記事ではプロンプトも公開しているので、ぜひあなたの監視銘柄でも試してみてください。
📊 PEGレシオとは? 成長株の「本当の割安」を測る指標
計算式と基本的な考え方
PEGレシオの計算式は以下の通りです。
PEGレシオ = PER ÷ EPS成長率(%)
一般的な目安として、1.0倍以下なら割安、2.0倍以上なら割高とされています。
たとえば、PERが50倍でも、EPS成長率が50%あればPEGレシオは1.0倍。成長力に見合った株価ということになります。逆に、PERが10倍でも、EPS成長率が5%しかなければPEGレシオは2.0倍。一見割安に見えて、実は割高という判断になります。
PERだけでは見えない「成長株の適正評価」
PERだけを見て「高いから危険」「低いから安全」と判断するのは、成長株投資においては落とし穴になりがちです。
片山さんが動画で触れていたレーザーテック(6920)の例がまさにそうで、当時「PERが高いから危ない」と見送った結果、株価は数倍に上昇しました。高PERでも、その後の利益成長がPERを正当化すれば、結果的に「あの時は激安だった」ということになります。
PEGレシオは、この「成長率を加味した評価」を数値化してくれる便利なツールです。
PEGレシオの限界と注意点
ただし、PEGレシオにも弱点があります。
まず、分母の「EPS成長率」は予想値を使うことが多いため、会社予想が下方修正されればPEGレシオも悪化します。また、成長率が低い企業や赤字企業には計算自体が成り立ちません。さらに、金利上昇局面ではPERの許容水準自体が下がる傾向があり、PEGレシオだけを見ていると判断を誤る可能性があります。
万能な指標ではないことを理解した上で、他の分析と組み合わせて使うのがポイントです。
📜 Gemini×株探で実践 | PEG分析プロンプト
なぜGeminiを使うのか
PEGレシオの計算自体は単純です。ただ、過去3年分の株価データを四半期ごとに拾い、各時点のEPS基準期(市場がその時点で参照している予想EPSの決算期)を判定しながらPEGを算出するのは手間がかかります。Geminiは画像認識とPythonによる計算を組み合わせられるため、この作業を一括で処理できます。
用意するもの
分析に必要なのは、株探から取得する以下のデータです。
画像3枚:
- バリュエーション画面(PER・PBR・配当利回りなど)
- 週足チャート(3年分)
- 決算推移画面(売上高・営業益・経常益・最終益・修正1株益)



テキストデータ:
- 月足時系列データ(推奨)
月足データの取得手順は以下の通りです。
- 株探の銘柄ページにアクセス
- チャート右の「時系列」タブをクリック
- 「時系列株価」の「月足」をクリック
- 表示された月末株価データをコピー

画像だけでも分析は可能ですが、月足データを追加すると株価の読み取り精度が上がります。
プロンプト全文
(↓クリックしてプロンプト全文を展開)
## 役割
あなたは日本株・米国株を専門とするプロのエクイティアナリストです。
財務データ、株価チャート、バリュエーション指標を統合し、定量分析を行ってください。
カウントや計算は必ず Python を使用してください。
## 入力
以下の画像が提供されます。
- 株価チャート(週足、表示期間分)
- 決算データ(売上高、営業益、経常益、最終益、修正1株益の推移)
- PER、PBR、配当利回り等のバリュエーション指標
## タスク
### 【重要】PEGレシオ算出の基準統一ルール
1. **PERの基準期を特定する**
- 画像に表示されているPERが「どの期のEPS予想」を分母にしているか必ず確認する
- 通常、日本株の場合は「翌期予想EPS」を基準とする
2. **EPS成長率の計算基準を合わせる**
- PERの基準期と同じ期間でEPS成長率を計算する
- 計算式:(当期予想EPS - 前期実績EPS) ÷ 前期実績EPS × 100
- **異なる期間の成長率を使用しない**
3. **PEGレシオの算出**
- PEG = PER ÷ EPS成長率
- 使用したPERとEPS成長率の基準期を必ず明記する
---
### 【重要】歴史的PEGレシオ分析の必須要件
#### 分析対象期間
- **週足チャートに表示されている全期間を必ず分析対象とする**
- **月次(毎月)でデータポイントを設定する**
- チャートから各月末時点の株価を読み取る(月末に最も近い週の終値を使用)
- 3年分のチャートであれば36データポイント以上を含めること
#### 週足チャートからの月次株価読み取り方法
1. チャートの横軸(時間軸)から各月の位置を特定する
2. 各月末に最も近い週のローソク足または終値ラインを読み取る
3. 縦軸(価格軸)の目盛りを参照して株価を推定する
4. チャート上に表示されている具体的な数値(高値・安値のラベル等)があれば優先的に使用する
5. 読み取り精度に限界がある場合は、その旨を明記する
#### 各データポイントで必要な情報
1. **時期**:年月(例:2023年1月、23/01形式でも可)
2. **株価**:チャートから読み取った当月末の株価水準
3. **EPS基準期**:当時の市場が織り込んでいた予想EPS期
4. **予想EPS**:当時の基準期EPS
5. **EPS成長率**:当時の基準期に対応する成長率
6. **PER**:株価 ÷ 予想EPS
7. **PEGレシオ**:PER ÷ EPS成長率
8. **市場局面**:弱気/中立/強気/底値圏/天井圏/調整/反発
#### EPS基準期の切り替えルール(汎用ロジック)
決算企業の決算期末月に応じて、以下のロジックでEPS基準期を決定する:
1. **決算期末月を特定する**(例:3月決算なら3月、12月決算なら12月)
2. **決算発表月を推定する**(通常は決算期末の2ヶ月後)
3. **基準期の決定ロジック**:
- 分析対象月が「決算発表月より前」→ 当期予想EPSを基準とする
- 分析対象月が「決算発表月以降」→ 翌期予想EPSを基準とする
【判定式】
- 決算期末月 = M月 とする
- 決算発表月 = M + 2月 とする(年をまたぐ場合は適宜調整)
- 分析対象が N年X月 の場合:
- X < (M + 2) の場合 → N年M月期のEPSを基準
- X >= (M + 2) の場合 → (N+1)年M月期のEPSを基準
【具体例:3月決算企業】
- 決算期末月 = 3月、決算発表月 = 5月
- N年1月~4月 → N年3月期EPSを基準
- N年5月~12月 → (N+1)年3月期EPSを基準
【具体例:12月決算企業】
- 決算期末月 = 12月、決算発表月 = 2月
- N年1月 → (N-1)年12月期EPSを基準
- N年2月~12月 → N年12月期EPSを基準
---
### 分析内容
1. **現在のPEGレシオを正確に算出する**
2. **全期間の月次PEGレシオ推移を作成する**
- **週足チャートから月ごとの株価を読み取り、全月分のデータポイントを作成する**
- 各時点のPER、EPS成長率、PEGを全て計算
- Pythonで月次データをリスト化し、ループ処理で一括計算する
3. **PEGレシオの統計分析**
- 全期間の最小値(ボトム)と最大値(ピーク)
- 平均値、中央値、標準偏差
- 弱気相場におけるPEGレシオの水準
- 強気相場におけるPEGレシオの水準
- 成長率別のPEGレンジ(高成長期 vs 低成長期)
4. **局面判定の基準**
- 株価トレンド(上昇/下落/横ばい)
- 移動平均線との位置関係(チャートに表示されている場合)
- 高値/安値からの位置関係
---
## 出力形式
### 1. 計算根拠の明示(必須)
```
【現在のPEGレシオ算出】
- 現在株価: ○○円
- 使用PER: ○○倍
- EPS基準期: 20XX.XX期予想
- 予想EPS: ○○円
- EPS成長率: +X.X%(計算式を明記)
- PEGレシオ: ○○倍 ÷ X.X% = X.XX
```
### 2. 歴史的PEGレシオ一覧表(全期間・月次)
| 時期 | 株価 | EPS基準期 | 予想EPS | PER | EPS成長率(%) | PEGレシオ | 市場局面 |
|------|------|-----------|---------|-----|--------------|-----------|----------|
| (チャート表示期間の全月分、36行以上を目安) |
※ Pythonコードで月次データを一括処理し、全月分のテーブルを生成すること
※ 株価はチャートからの読み取り値であり、実際の終値と若干の誤差がある可能性がある旨を注記する
### 3. PEGレシオ統計サマリー
```
【全期間のPEGレンジ】
- 最小値: ○.○○(時期、局面)
- 最大値: ○.○○(時期、局面)
- 平均値: ○.○○
- 中央値: ○.○○
- 標準偏差: ○.○○
```
【局面別PEGレンジ】
| 局面 | PEGレンジ | 該当時期 |
|------|-----------|----------|
| 弱気(底値圏) | ○.○○~○.○○ | 該当年月 |
| 中立 | ○.○○~○.○○ | - |
| 強気(高値圏) | ○.○○~○.○○ | 該当年月 |
【成長率別PEGレンジ】
| EPS成長率水準 | PEGレンジ | 解釈 |
|---------------|-----------|------|
| +20%以上(高成長) | ○.○○~○.○○ | - |
| +10~20%(中成長) | ○.○○~○.○○ | - |
| +10%未満(低成長) | ○.○○~○.○○ | - |
### 4. 現在位置の評価
```
【現在のPEG ○.○○の位置づけ】
- 全期間レンジ内での位置: 上位○○%(パーセンタイル)
- 平均値との乖離: ±○○%
- 割安/適正/割高の判定: ○○
- 過去の同水準時期との比較: ○○年○月
```
### 5. 投資判断への示唆
- 割安ゾーンのPEG水準: ○.○○以下(根拠を明記)
- 割高ゾーンのPEG水準: ○.○○以上(根拠を明記)
- 現在の評価と留意点
- リスクシナリオ別の目安株価
---
## 制約
- **週足チャートから月次の株価を読み取り、表示期間の全月を分析対象とする**
- **四半期ではなく月次(毎月)でデータポイントを設定する**
- 計算基準の不一致を絶対に起こさない(PERの基準期とEPS成長率の基準期を必ず揃える)
- チャートから読み取れない数値は推測せず「読み取り不可」と明示する
- チャートからの読み取り値には誤差が含まれる可能性があることを明記する
- 全ての計算過程をPythonコードで明示し、再現可能な形で出力する
- 投資助言ではなく、分析結果として記述する
- チャート上に明示されている数値(高値・安値ラベル、移動平均値等)は積極的に活用する
使い方
- Gemini(無料版でOK)を開く
- 上記プロンプトをコピーして貼り付け
- 株探のスクショ3枚を添付
- 月足時系列データをテキストで追加(推奨)
- 送信
計算結果は概算値です。投資判断の最終責任はご自身にある点をご理解ください。
🔍 実践編 | イントラスト(7191)のPEGレシオを分析
なぜイントラストを選んだか
イントラスト(7191)は家賃債務保証を手掛ける企業です。契約を積み上げるストック型ビジネスであり、業績の安定性が高いのが特徴です。
この銘柄を選んだ理由は、EPSが4期連続で増加しており、成長率が常にプラス圏で推移しているためです。PEGレシオは成長率を分母に使うため、成長が安定している企業ほど分析との相性が良くなります。
なお、イントラストは僕の監視リスト銘柄であり、今後ポジションを持つ可能性があります。その点をご了承の上、分析結果をご覧ください。
現在のPEGレシオ算出
2025年12月19日時点のデータで計算します。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 現在株価 | 1,191円 |
| 使用PER | 17.2倍 |
| EPS基準期 | 2026.03期予想 |
| 予想EPS | 69.3円 |
| 前期実績EPS | 60.8円(2025.03期) |
| EPS成長率 | +14.0%((69.3−60.8)÷60.8×100) |
| PEGレシオ | 1.23倍(17.2÷14.0) |
現在のPEGレシオは1.23倍。一般的な目安である「1.0倍以下なら割安」という基準から見ると、やや高めの水準にあります。
過去3年間のPEGレシオ推移
Geminiで分析した詳細データは以下のリンクから確認できます。
📊 2025/12/20:Gemini分析結果(イントラスト【7191】)
月次のPEGレシオを算出した結果、過去3年間のレンジは0.63〜1.32倍、平均は0.96倍でした。
統計サマリーと局面別レンジ
3年間のPEGレンジ:
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 最小値 | 0.63(2022年12月、底値圏) |
| 最大値 | 1.32(2025年4月、成長率鈍化懸念時期) |
| 平均値 | 0.96 |
| 中央値 | 0.95 |
局面別PEGレンジ:
| 局面 | PEGレンジ | 特徴 |
|---|---|---|
| 弱気・底値圏 | 0.63〜0.80 | 成長率が高い時期に株価が売られた局面。絶好の買い場だった。 |
| 中立 | 0.80〜1.10 | トレンド転換期や成長率の端境期。 |
| 強気・高値圏 | 1.10〜1.32 | 現在の水準。成長期待が株価に織り込まれつつある。 |
成長率別PEGレンジ:
| EPS成長率 | PEGレンジ | 解釈 |
|---|---|---|
| +20%以上(2023年〜2024年初頭) | 0.63〜0.78 | 高成長に対して市場評価が追いついておらず、PEGは極めて低い水準だった。 |
| +10〜15%(2024年後半〜現在) | 0.93〜1.29 | 成長率が安定した水準に落ち着き、PEGは適正範囲の1.0周辺で推移。 |
⚖️ 現在の株価は「買い」か? PEGから読み解く判断基準
過去3年間の統計から、イントラストのPEGレシオには以下の傾向が見られます。
🟢割安ゾーン(PEG 0.80倍以下)
過去のデータでは、PEGが0.8倍を下回る時期は明確な「買い場」でした。株価換算では約780円以下。ここまで調整が入れば、統計的には魅力的なエントリーポイントになる可能性があります。
🟡適正ゾーン(PEG 0.80〜1.19倍)
成長株として標準的な評価水準です。焦って買う必要はありませんが、トレンドが強ければ乗っていく選択肢もあります。
🔴警戒ゾーン(PEG 1.20倍以上)
過去の傾向では、PEGが1.2倍を超えると上値が重くなりやすいです。短期的には利益確定売りが出やすい水準と考えられます。
【現在の評価】
現在のPEG 1.23倍は、3年レンジの上位約87%付近に位置しています。過去の「割安水準(PEG 0.80倍以下)」からは脱しており、市場がこの企業の成長を正当に評価し始めたフェーズと言えそうです。
一方で、バリュエーション面での「上値余地」は過去ほど大きくありません。新規エントリーを検討する場合、押し目を待ってPEG 1.0倍程度(株価約1,000円)まで引きつけるのも一つの選択肢になるかもしれません。
✅ まとめ
片山さんの言う「高PERを恐れるな」という考え方は、成長株投資において正しいと思います。そして、エントリーのタイミングを客観的に測るツールとして、片山さんが紹介していたPEGレシオは役立ちます。
今回の分析で分かったことをまとめます。
- イントラストの現在のPEGレシオは1.23倍(2025/12/19)
- 過去3年のレンジは0.63〜1.32倍、平均0.96倍
- PEG 0.8倍以下は過去の「買い場」だった
- 現在は警戒ゾーン入り(利益確定検討水準)
Geminiと株探のデータを使えば、この分析は誰でも実行できます。ぜひあなたの監視銘柄でも試してみてください。
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