【検証】Claude 4.5は期待外れ? 新高値ブレイク銘柄探しで判明した「AIモデル×実行環境」の最適解

こんにちは! ゲーマー投資家ゆーすけ(@gaminvestlogです。

先日(2025年9月30日)、待望の最新AI「Claude Sonnet 4.5」がリリースされました。以前、当ブログで公開した記事「【検証】最新AI「Grok 4 fast」は新高値ブレイク×成長株を発掘できるか?」では、Grok 4 fastが非常に優秀な結果を出してくれましたが、今回の最新モデルならそれを超えるパフォーマンスを見せてくれるのではないか。

そんな期待を胸に、早速「新高値ブレイク×成長株」の発掘という、私にとっての定例クエストに挑んでみました。しかし、その道のりは予想外の連続でした。

この記事では、最新AIの性能を確かめるべく試行錯誤した結果、AIの真価は「モデル単体の性能」だけでなく、「実行するプラットフォーム(環境)」との組み合わせで決まるという、非常に重要な結論にたどり着くまでの全記録を共有します。


👎 失敗①:本家Sonnet 4.5は抽出NG

まずは基本に忠実に、Anthropic社が提供する公式のclaude.ai(無料版)で挑戦です。前回Grok 4 fastで使用したプロンプト(AIへの指示文)を投入し、分析を依頼しました。

しかし、結論から言うと、無料版の利用回数制限がネックとなり、10銘柄すべてを抽出するには至りませんでした

「じっくり考える」モードを使えば抽出しようとはしてくれるのですが、そのためにはチャットを複数回やり取りする必要があり、途中で制限に達してしまう、という状況です。

また、claude.aiの仕様として、分析用のCSVファイルを直接読み込むことができず、一度テキストファイル(.txt)に変換する必要がある点も、作業効率の面では少し手間だと感じました。

🔗 本家 Claude Sonnet 4.5(無料版)の出力結果

【💡ワンポイント】そもそもCSVファイルとは?

CSVファイルは、AIに銘柄リストのような表形式のデータを渡す際に使う、非常にシンプルなファイル形式です。

なぜこれを使うとAIの分析効率が上がるのか、といったより詳しい解説は、以前公開したGrok 4 fastの検証記事でも触れています。気になる方は、そちらもぜひ参考にしてみてください。

🔗 【検証】最新AI「Grok 4 fast」は新高値ブレイク×成長株を発掘できるか?


🔒 失敗②:本家Opus 4.1もWebアクセス制限

「ならば上位モデルならどうだ」と考え、有料版である「Claude Opus 4.1」で同じプロンプトを試しました。(無料ユーザーでも1週間で3回まで使用可能)

しかし、返ってきたのは「データソースに直接アクセスできないため、完全な分析レポートの作成ができません」という明確な回答。claude.aiというプラットフォーム自体の制約が明らかになった瞬間でした。

Claude Opus 4.1の出力結果画面。「データソースに直接アクセスできないため、完全な分析レポートの作成ができません」というエラーメッセージが表示されているスクリーンショット。
上位モデルのOpus 4.1でも、外部データソースへのアクセスには制限があった。

🔗 本家 Claude Opus 4.1 の出力結果


🗣️ 失敗③:Sonnet 4.5 × gensparkは「解説」モード

次に、AIにWebアクセス能力を付与してくれるエージェント型プラットフォーム「genspark.ai」に舞台を移し、再度「Claude Sonnet 4.5」で挑戦しました。

gensparkはCSVファイルを直接読み込めるため、ファイル変換の手間が省け、非常にスムーズに作業を開始できます。しかし、ここでも期待通りの銘柄リストは得られませんでした。

驚いたことに、AIはランキングを作成するのではなく、「ランキングを作成するための手順」そのものを解説し始めるという、予期せぬ挙動を見せました。

どうやらAIはプロンプトの指示を『実行』すべきものと解釈せず、『解説』するものだと誤解してしまったようです。何度か試しましたが、この挙動は変わりませんでした。

🔗 Claude Sonnet 4.5 × genspark の出力結果


✅ 結論:最適解は「Opus 4.1 × genspark」

最後の望みをかけ、最強の実行環境「genspark.ai」と、最強のAIモデル「Claude Opus 4.1」を組み合わせた結果…ついに、求めていた通りの分析レポートが一発で出力されました!

🔗 Claude Opus 4.1 × genspark の出力結果

⚠️ 重要:免責事項と本ランキングの注意点

本記事のランキングと分析は、AIが出力した結果を検証目的で掲載しており、特定の銘柄への投資を推奨するものではありません。

AIの分析には、企業の事業内容(セグメント)など、事実と異なる情報や古い情報が含まれる可能性があります。そのため、本ランキング表はAIの出力を元にしつつ、信頼性向上のために筆者が一部の情報を修正・追記しています。

最終的な投資判断は、必ずご自身の責任で行ってください。

ランキング(総合スコア順)

Rank証券コード企業名セグメントスコアPSR一言理由
12373ケア21介護82.50.35x介護報酬改定追い風、M&A加速
24415ブロードエンタープライズ不動産DX78.31.2x不動産DXのストック型成長
35885ジーデップ・アドバンスAI/HPC関連75.20.68xEC物流の構造的成長
46387サムコ半導体装置73.82.1xパワー半導体向け装置好調
57115アルファパーチェス間接材EC71.50.45xEV向け部品の採用拡大
6350Aデジタルグリッド電力DX70.23.5x電力自由化の恩恵継続
79687KSKITサービス68.51.8xDX需要の安定成長
83954昭和パックス包装資材66.30.52x環境対応製品へのシフト
95283高見澤セメント64.80.38xインフラ投資の恩恵
109425ReYuu Japanリユース63.20.85xリユース市場の急成長

スコア内訳凡例:Valuation(40点) / Growth(30点) / Quality(20点) / Durability(10点)

個別銘柄サマリー

1位:2373 ケア21

  • 事業特徴:関西地盤の介護大手。訪問介護・施設介護の両輪経営。ストック売上比率85%
  • 成長ドライバ:2024年介護報酬改定(+1.59%)による単価上昇、M&Aによる拠点拡大
  • バリュエーション:PSR 0.35倍は同業平均(0.8倍)を大幅に下回る
  • カタリスト:11月本決算での通期上方修正期待、M&A案件の具体化
  • リスク:人材確保競争の激化、介護報酬の将来的な引き下げリスク

2位:4415 ブロードエンタープライズ

  • 事業特徴:不動産業界向けDXプラットフォーム。SaaS型でストック売上比率62%、NRR 115%
  • 成長ドライバ:不動産DXの浸透率向上(現在15%→目標50%)、大手顧客の深耕
  • バリュエーション:高成長SaaSとしてはPSR 1.2倍は割安水準
  • カタリスト:大手不動産会社との新規契約、海外展開の具体化
  • リスク:競合参入、不動産市況の悪化

3位:5885 ジーデップ・アドバンス

  • 事業特徴:EC向け3PL特化。アマゾン・楽天等の大手EC事業者が主要顧客
  • 成長ドライバ:EC市場の年率8%成長、物流2024年問題による需要増
  • バリュエーション:PSR 0.68倍、EV/EBITDA 6.3倍と物流セクター内で割安
  • カタリスト:新規物流センター稼働による能力増強、自動化投資の効果顕在化
  • リスク:人件費上昇、大手顧客への依存度(上位3社で売上の45%)

用語凡例成長ドライバ(企業の成長を牽引する要因)、カタリスト(株価が動くきっかけとなるイベント)、NRR(売上継続率)


ゆーすけ的コメント

今回抽出された10銘柄のうち、プロンプトのQoQ条件(直近四半期(3ヶ月実績)のQoQ:売上 +10%以上、営業利益 +20%以上)をクリアしていたのは以下の4銘柄でした。

  • 4415 ブロードエンタープライズ
  • 6387 サムコ
  • 9425 ReYuu Japan
  • 9687 KSK

特に、個人的には4415 ブロードエンタープライズに注目しています。独自のファイナンススキーム「BRO-ZERO」を軸とするフロー売上高が前年同期比で76.8%増と急成長しており、新たな成長ドライバになる可能性があります。民泊関連というテーマ性も、今後の追い風となりそうです。


Grok 4 fastの結果と比較分析

Grok 4 fastでは抽出リストの銘柄コードに偏りがありましたが、今回のOpus 4.1 × genspark組み合わせではコードがバラけており、より網羅的に探索してくれている印象です。選定された銘柄の質も、Grok 4 fastより高いと感じました。

一方で、弱点もGrok 4 fastと共通していました。プロンプトで指示した「直近2四半期」という厳しい条件をクリアしていたのは10銘柄中「6387 サムコ」のみ。(先に挙げた4銘柄のうち)残りの3銘柄は「直近1四半期」という、AIがやや緩やかに解釈した条件に合致する、という興味深い結果でした。

結論として、AIの出力は完璧ではありません。しかし、「指示には甘いが、有望株の一次スクリーニングとしては非常に強力」という特性を理解した上で“たたき台”として活用し、最後は自分で深掘りすることが重要です。


🔑 まとめ:AI分析は「モデル×環境」の相性が鍵

今回の検証で得られた最大の教訓は、「AIの性能はモデル名だけでは決まらない」という事実です。特にリアルタイム性が求められる株価分析においては、どのAI(モデル)を、どの場所(実行環境)で使うか、という組み合わせが極めて重要になります。

今回の検証から見えた、両プラットフォームの主な違いは以下の通りです。

  • Webアクセス能力claude.aiは直接的なデータアクセスに制限がある一方、gensparkはより柔軟なWebアクセス能力を持つエージェントとして機能した。
  • ファイル読み込みclaude.aiはCSVファイルを直接読み込めずTXTファイルへの変換が必要だったが、gensparkはCSVファイルをそのままアップロードできた。

これらの結果から、2025年10月現在、リアルタイムの株価分析に基づき「新高値ブレイク×成長株」を探すという特定の目的においては、最適解は「genspark上でClaude Opus 4.1を使うこと」と言えるでしょう。

「Claude Sonnet 4.5」という最新AIの検証から始まった今回のクエストでしたが、結果的に「AIモデルと実行環境の相性」という、より本質的で重要な発見に繋がりました。皆さんのAI投資ライフにおいても、この試行錯誤の記録が少しでも参考になれば幸いです。


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※本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。
投資判断は必ずご自身の責任で行ってください。