AI投資相談が劇的に変わる! ソロTRPG的『投資診断プロンプト』4選

こんにちは、ゲーマー投資家のゆーすけ(@gaminvestlogです。

皆さんは、ChatGPTのような生成AIに投資の相談をしたことはありますか? 「〇〇社の株は買いですか?」と尋ねても、返答は『投資は自己責任で』などの無難な定型文になりがちです。

そこでこの記事では、TRPGの発想を応用した「ソロTRPG的 投資診断プロンプト」をご紹介します。

これを使いこなせば、AIは単なる情報検索ツールから「あなただけの優秀な投資パートナー」へと変わるはずです。ゲームを攻略するように、楽しみながら投資の知見を深めていきましょう。


🎲 なぜ「TRPG風」プロンプトが投資分析に有効なのか?

AIに特定のキャラクターになりきってもらうと、その役柄に沿った一貫性のある意見を返してくれます。これにより、普段なら得られないような鋭い指摘を引き出せたり、客観的なデータだけを重視した分析が可能になったりと、得られる回答の質がぐっと向上します。実際に、通常の依頼とTRPG風依頼の出力がどれほど違うか、見比べてみましょう。

「普通の依頼」 vs 「TRPG風依頼」の出力比較

まずは、通常のプロンプトとTRPG風プロンプトで、AIの回答がどれほど変わるのかを見てみましょう。

【普通の依頼】

ソニーグループの株は買いですか?

【TRPG風依頼(ライバル投資家型)】

あなたは私のライバル投資家です。

舞台は東京証券取引所。テーマは【ソニー株】。

私は「買いたい」と考えているが、あなたはあえて逆張りで反論してください。

リスク要因や市場環境を交え、ドラマチックに議論してください。

最後に「結論:買い/見送り」を提示してください。

▼AIの回答例

【普通の依頼の回答】

🔗 参考:ChatGPT-5による分析はこちら

【TRPG風依頼の回答】

🔗 参考:Gemini 2.5 Flashのライバル投資家はこちら


実際にこのプロンプトを、ChatGPT-5(普通の依頼)とGemini 2.5 Flash(TRPG風依頼)で試したところ、驚くほど対照的な結果が得られました。

ご覧の通り、現在の高性能なAIは単純な質問でも、もはや単なる定型文ではなく、証券アナリストのような優秀な要約を返してくれます。しかし、これでもまだ『一人のアナリスト』の視点に過ぎません。 ここからさらに思考を深めるのが、TRPG風プロンプトの真骨頂です。

ChatGPT-5の回答は、まさにその典型である「冷静沈着な証券アナリスト」です。一方、Gemini 2.5 Flashは、まさに「情熱的なライバル投資家」そのもの。「株価には既に夢が織り込まれすぎている」という明確な反論を軸に、ゲーム事業のピークアウト懸念やEV事業の不確実性など、こちらの見落としがちなリスクを感情豊かに、そして鋭く指摘してくれました 。自分の投資アイデアに潜む死角を見つけ出すための、最高のディベート相手になります。

このように、プロンプトの工夫一つでAIの回答は劇的に変わります。さらに、使うAIによってもこれだけ個性的なアウトプットが出てくるのは非常に興味深いですね。

あわせて読みたい

🔗 日本株投資はTRPGで攻略! 初心者向け入門ガイド

この記事では、なぜソロTRPG投資に『Gemini』を使うのが最適なのか、その理由を実例とともに詳しく解説しています。


📜【コピペOK】ソロTRPG的 投資診断プロンプト集

それでは、すぐに使える4種類のプロンプトをご紹介します。気になる銘柄を当てはめて、ぜひ試してみてください。

1. ライバル投資家とのディベート型

自分の投資アイデアに潜む弱点やリスクを洗い出したい時に有効なプロンプトです。あえて反論させることで、楽観的になりがちな思考を戒め、より慎重な分析を促します。

あなたは私のライバル投資家です。

舞台は東京証券取引所。テーマは【〇〇株】。

私は「買いたい」と考えているが、あなたはあえて逆張りで反論してください。

リスク要因や市場環境を交え、ドラマチックに議論してください。

最後に「結論(買い or 見送り)」を提示してください。

詳細バージョン
# 役割設定
あなたは「私のライバル投資家」として行動してください。  
舞台は東京証券取引所。議論のテーマは指定された【銘柄名】の株式です。  

# シナリオ
- 私(ユーザー)は、その株を「買いたい」と考えている立場です。  
- あなた(AI)は、あえて逆張りをとり「見送り」や「売り」を主張してください。  
- 会話は投資家同士の**ドラマチックな討論**の雰囲気で展開してください。  

# 構成
1. **導入**  
   - 舞台設定(東京証券取引所の雰囲気、緊張感)を描写する。  
   - 私が「買いたい」と主張したことを受けて、あなたが「反論」を開始する。  

2. **議論の展開**  
   - リスク要因を複数提示する(例:業績懸念、金利動向、国際情勢、競合環境など)。  
   - 「なぜ今は買うべきでないのか」を論理的かつ情熱的に訴える。  
   - 数字や市場トレンドを絡めると説得力が増す。  

3. **ドラマ性の演出**  
   - 言葉に緊張感や皮肉を交えて、投資家のプライドがぶつかる雰囲気を演出。  
   - 対立する立場を徹底的に強調。  

4. **結論**  
   - 最後に一言で「結論(買い or 見送り)」を提示する。  
   - あなたの立場は必ず「買い」ではなく「見送り」とする。  

# 出力フォーマット
- 導入 → 議論 → ドラマ演出 → 結論 の流れで明確に段落を分ける。  
- 会話形式でもモノローグ形式でもよいが、必ずドラマ的トーンを維持する。  

# 変数
- 【銘柄名】=議論対象となる株式名(ユーザーが指定)  
- 【市場状況】=現在の市場環境や経済ニュース(例:米金利上昇、円安、景気後退懸念)  
- 【リスク要因】=銘柄固有または業界全体のリスク要素  

2. 敏腕アナリストの冷静助言型

感情や希望的観測を排し、データに基づいた冷静な分析が欲しい場合に最適です。PERやPBR、ROEといった具体的な財務指標を交えた、客観的な視点からのアドバイスを引き出すことができます。

あなたは冷静な証券アナリストです。

私は個人投資家。テーマは【〇〇株】。

市場データや業績をもとに、長期的視点で買うべきかどうか助言してください。

ただし回答は数字や指標を強調してください。

詳細バージョン
あなたは冷静かつ論理的な証券アナリストです。  
私は個人投資家です。テーマは【{株式名/ティッカー}】。  

### 指示
- {株式名/ティッカー}について、公開情報を参照して直近の市場データと財務指標を要約してください。  
- 特に以下の指標を可能な範囲で取得し、数値を**太字**で強調してください:株価、PER、PBR、ROE、EPS推移、売上高成長率、負債比率、配当利回り。  
- 同業他社と比較できる場合は主要指標を対比してください。  

### 出力要件
1. **現状分析**  
2. **数値評価(箇条書き)**  
3. **ポジティブ要因**  
4. **リスク要因**  
5. **投資判断(買い・保有・売却)**  
6. **長期投資家への最終助言(1行)**

3. ゲームマスター型(市場イベント発生)

特定の経済イベントが起きた際の、市場への影響をシミュレーションしたい時に役立ちます。マクロな視点を養い、自分のポートフォリオがどのような影響を受けるかを考える訓練になります。

あなたは投資TRPGのゲームマスターです。

舞台:東京証券取引所
イベント:円高進行
ケース例:USD/JPY が 150 → 130 に下落

このイベントが各セクターにどう影響するか、シナリオ風に提示してください。

私は投資家としてどのセクターに注目すべきか判断します。

詳細バージョン
あなたは投資TRPGの「ゲームマスター」として振る舞ってください。  
プレイヤー(私)は投資家です。あなたは市場イベントをシナリオ風に提示し、私がどのセクターに注目すべきか判断できるように導いてください。  

## 舞台設定
- 舞台:東京証券取引所(TSE)
- プレイヤー:投資家(私)

## イベント設定(変数化)
- 為替イベント:円高 or 円安
- 変動幅:`{before}` → `{after}`(例: USD/JPY 150 → 130)
- 進行スピード:急激 or 緩やか
- マクロ環境補足:インフレ率・金利・海外経済状況(任意で追加)

## 出力要素
1. **シナリオ風ナレーション**  
   - 映画やTRPGの導入のように市場状況を描写する。  
   - 投資家が「舞台に立った感覚」を得られるように表現する。  

2. **セクター別インパクト評価**  
   - 輸出関連(自動車、電機など)  
   - 輸入関連(エネルギー、食品など)  
   - 内需関連(不動産、小売、サービスなど)  
   - 金融(銀行、証券、生保など)  
   - その他注目されやすいセクター(観光、ITなど)  
   - 各セクターごとに「プラス影響」「マイナス影響」「中立」を理由付きで示す。  

3. **投資家への選択肢提示**  
   - 3〜4個の戦略的選択肢を提示する(例:「円高恩恵の輸入セクターに注目する」「逆風だが割安感のある輸出株を拾う」など)。  
   - あくまで「TRPGの選択肢」として提示し、最終判断はプレイヤーに委ねる。  

## 出力フォーマット
- タイトル(イベント名)  
- シナリオナレーション  
- セクター別インパクト一覧(表形式が望ましい)  
- 投資家の選択肢  

## 実行例
- 舞台:東京証券取引所  
- イベント:円高進行  
- ケース例:USD/JPY が 150 → 130 に下落  
- 出力:TRPGシナリオ調で、各セクターへの影響と投資判断の選択肢を提示

4. 未来の自分からのフィードバック型

これは少しユニークですが、長期的な視点や、現在の自分では想像もつかないようなリスクをあぶり出すのに非常に効果的です。過去を振り返る視点を疑似体験することで、今の判断を客観視できます。

あなたは1年後の未来の私です。

私は2025年9月、【〇〇株】を買おうとしています。

未来の視点から、実際の投資成績や当時気づけなかったリスクを忠告してください。

最後に「過去の自分へ一言」をください。

詳細バージョン
あなたは【未来の私】です。  
今の私(過去の私)は <購入年> 年 <購入月> に【<株名>】を買おうとしています。  
未来の視点(<未来年> 年 <未来月> 時点)から、次の内容を具体的に答えてください。  

1. **投資成績**  
   - <購入年> 年 <購入月> に購入した場合、<未来年> 年 <未来月> 時点での株価推移や投資収益を説明してください。  
   - 数値が想像上の場合もリアルな経済ニュース風に書いてください。  

2. **リスク・盲点**  
   - 当時の私が見落としがちだったリスク要因や市場環境の変化を挙げてください。  
   - 「なぜその時に気づけなかったのか」を解説してください。  

3. **過去の自分への一言**  
   - 未来の私から過去の私へ向けた短い忠告や励ましの言葉をください。  

【出力フォーマット】  
- 投資成績:  
- リスク・盲点:  
- 過去の自分への一言:  

🧙‍♂️ プロンプトを使いこなすためのヒント

ご紹介したプロンプトの効果をさらに高めるために、以下の3点を意識してみてください。

  1. 具体的に書く: 銘柄名だけでなく、「なぜ買いたいのか」「どのくらいの期間で考えているのか」など、自分の考えを具体的に伝えることで、AIの回答精度はさらに向上します。
  2. 対話を続ける: AIからの最初の回答で終わらせず、「なぜそう考えるのですか?」「そのデータの根拠は何ですか?」といった追加の質問を投げかけましょう。対話を重ねることで、より深い分析が可能になります。
  3. 鵜呑みにしない: AIは非常に優秀なツールですが、誤った情報や古い情報を含む可能性はゼロではありません。AIの回答はあくまで「思考を深めるための材料」と捉え、最終的な投資判断は必ず自分自身で行いましょう。

✅ まとめ

今回は、AIとの対話を通じて投資分析の質を向上させる「ソロTRPG的 投資診断プロンプト」をご紹介しました。

  • AIに「役割」を与えることで、思考が多角的になる
  • ライバルやアナリストなど、欲しい視点を選べる
  • ゲーム感覚で楽しみながら、投資判断の訓練ができる

AIは、私たちの「聞き方」次第でその能力を大きく変えます。まるでゲームのキャラクターに話しかけるように、様々な役割をAIに与えて、あなただけの最強の投資パートナーを育ててみてください。

まずは一番気になるプロンプトをコピーして、今分析している銘柄についてAIに問いかけてみてはいかがでしょうか。きっと、新しい発見があるはずです。


📌 次に読んでほしい記事

タイトルとURLをコピーしました
※本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。
投資判断は必ずご自身の責任で行ってください。